【 プロジェクト 】矢勝川の田んぼアートとふるさと風景

田んぼアート
南吉のふるさとをテーマにした田んぼアート

矢勝川 田んぼアートプロジェクト

色の違う稲穂で水田に絵を描く「田んぼアート」に取り組み、南吉のふるさとの田園風景を守り未来へつないでいくプロジェクトです。稲穂が育ち徐々に浮かび上がる巨大な絵柄は、8〜10月に見頃を迎え、矢勝川堤から見渡す田園風景に華を添えます。


彼岸花で鮮やかに赤く染まる矢勝川堤と田んぼアート

矢勝川沿いに巨大な田んぼアートが出現!

矢勝川堤の遊歩道から眺める、水田に浮かび上がる巨大な田んぼアート。毎年、南吉のふるさとをテーマにした絵柄で設計しています。秋のお彼岸の頃は矢勝川堤に300万本の彼岸花が咲き「ごんの秋まつり」も開催されます。ぜひ田んぼアートもあわせてお楽しみください。

見頃とエリアの紹介

童話『ごんぎつね』にも登場する矢勝川。兵十がうなぎを捕っていたのが矢勝川とされています。緩やかなカーブを描く矢勝川と権現山のふもとの広々とした田園風景には、南吉がかつて眺めていた景色の面影が今も色濃く残り、童話『ごんぎつね』の世界を感じられる景観となっています。

田んぼアートの水田は、矢勝川堤の遊歩道コース沿い(新美南吉記念館から徒歩約10分程度)にあります。稲穂が育って色の違いがはっきり見えてくる8〜10月頃に見頃を迎え、9月には彼岸花とともに見応えのある南吉のふるさと風景をお楽しみいただけます。

また田んぼアートは、稲穂の成長と共に巨大な絵柄が浮かんでくる様子も見どころ。写真で比べると変化がよくわかります。ぜひ矢勝川遊歩道コースを散策がてら、田んぼアートの成長も観察してみてください。

広々とした田園風景が広がる矢勝川遊歩道

エリア

年間スケジュール

・田植え体験(5月頃)
・田んぼアート(8〜10月頃が見頃)
・稲刈り体験(11月頃)

関連リンク(外部サイト)

稲刈り&田植え体験の募集告知は半田市観光ガイドにて行います。参加ご希望の方はこちらのリンクよりご確認ください。


赤い名鉄電車が横切る、田んぼアートの活動風景

田んぼアートプロジェクトのはじまり

南吉のふるさと風景を楽しんでもらうために

秋のお彼岸の頃、矢勝川の堤には300万本の彼岸花が咲き誇ります。赤い絨毯のような景色は、今や半田市の観光風物詩。同時期には「ごんの秋まつり」も開催され、遠方から多くの来場者が訪れます。

せっかく来ていただく方々に「彼岸花の他にも南吉のふるさとの風景を楽しんでもらいたい」と、矢勝川の堤から眺められる「田んぼアート」プロジェクトに取り組みはじめました。南吉のふるさとの田園風景を守り未来へつないでいく活動の一環として、2014年からスタートし現在も続けている長期プロジェクトです。

田んぼアートの水田は、絵柄を楽しむだけでなく、美味しいお米がきちんとできるよう入念に手入れしています。水田の年間管理は、近隣農家の「おいしい村」末松さんを中心とした地元有志とNPO法人ごんのふるさとネットワークが協力して行っています。また、プロジェクトに共感し参加してくださる地域のボランティアの方も徐々に増え、みなさんと連携しながらプロジェクトを進めています。

「おいしい村」末松園子さん。「子どもたちにおいしいお米と笑顔を届けたい」と、田んぼアートの活動を支えながら、日々丹精込めてお米作りをしています
地域のボランティアの方々にも毎年ご協力いただいてます

田んぼアートの絵柄のしくみ

設計図をもとに手植えで描く田んぼアート

稲穂で水田に絵を描く「田んぼアート」は、色の違う品種の稲穂を、設計図をもとに植え分けることで絵柄を完成させます。植え分けは手植えでしかできません。

田植えの時期の苗はほとんど見分けがつきません。設計図を慎重に確認しながら、区画で仕切った水田に苗を品種ごとに植え分けます。品種が混じってしまわないよう参加者で役割分担しながら田植え作業を行います。

日差しにキラキラ光る水田で、腰をかがめて踏ん張りながら田植えをすると、あっという間に汗だくになります。すくすく育つよう願いながら一株一株、苗を植えていきます。

秋には実ったお米の収穫も行います。稲刈り&精米し、作ったお米をおいしく食べるところまでを含めて「田んぼアート」プロジェクトとして行っています。

出来上がったお米は、12月頃から田んぼアート米として「おいしい村」や新美南吉記念館のごんの贈り物で販売します。

矢勝川堤の遊歩道から絵柄がきれいに見えるよう計算された設計図
設計図をもとに、品種ごとに分けられた苗を手植えで植え分けます

田んぼアートは、毎年南吉のふるさとをテーマにした絵柄で実施


今では貴重な田植え体験。楽しい思い出として子どもたちの記憶に残ることを願って。

田植え&稲刈り体験を通じて子どもたちに伝えたいこと

田んぼで季節行事を楽しむ

田んぼアートプロジェクトでは、参加者を募集して稲刈り&田植え体験も行っています。

今では貴重になってしまった田植え体験。機械化が進み、農家の方でも手植えはほとんどしないそうです。一般参加者からは「泥にまみれての田植えはなかなかできない体験」と、親子参加の体験イベントとしても喜んでいただいています。

また、田んぼアートの完成後は実ったお米を収穫する稲刈り体験も行っています。収穫したお米は精米して参加者に届け、米作り体験を思い出しながら美味しく食べていただきます。

水田の泥の匂いや足を取られる感触、たくさん実ったお米を収穫する稲刈りの喜びなど、季節ごとの田んぼでの体験が、楽しい思い出として子どもたちの記憶に残ることを願って活動しています。

田植え&稲刈り体験 参加方法

稲刈り&田植え体験の募集告知は半田市観光ガイドにて行います。参加ご希望の方はこちらのリンクよりご確認ください。

関連リンク(外部サイト)

半田市長も子どもたちと一緒に田植え作業

プロジェクトの進化で活動の輪が広がる

田んぼアートプロジェクトは、ふるさとの景観を守る取り組みからスタートしましたが、稲作体験の場として環境学習の一環も担うようになりました。彼岸花の時期だけでなく、年間通して季節行事を楽しんでもらえるプロジェクトへと進化し、子どもたちやその親世代にも広く関心を持たれはじめています。

かつては当たり前だった風景が時代とともに失われつつあること、童話『ごんぎつね』の舞台であるこの地域の景観を大切に守っていきたい想いを、少しでも子どもたちに伝え未来へつないでいけるように、これからもこの活動の輪を広げ育てていきたいと思っています。

楽しそうな声が響く水田

田植え作業完了、今年の絵柄をお楽しみに!

田んぼアート2023 完成レポート

2023年9月下旬、ごんの秋まつりがはじまりました!猛暑の夏の影響で、やや遅めの開花です。

完成した田んぼアートはこちら!

2023年はかたつむりの絵柄。矢勝川堤に巨大なかたつむりの田んぼアートが出現しました!

苗の状態では品種の違いはほとんどわかりませんでしたが、稲穂が育ちくっきりと色が分かれました。お米もしっかり実っています。ごんの秋まつりにご来場のお客様もカメラを構えて写真をたくさん撮っていました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また来年もお楽しみに!


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